社長ブログ
外壁塗装工事をやってもらったばっかりでまた雨漏り?なんで治らないの?

家を塗装して綺麗になったイラスト

「最近、塗装工事やってもらったばっかりなんだけど・・・まだ雨漏りしていて・・・」

弊社に問い合わせいただいたお客様から、開口一番によく聞く言葉です。
年間通して何件あるだろうか?正直こう言われることはかなり多いです(汗)
工事をやって貰う前に、ご相談いただくのが本当は1番良いのですが、現実難しいので、この記事が 『塗装工事と一緒に雨漏り修理をやろう』 と検討されている方に少しでも目についたら良いなという思いで書きます。
最初に結論から申しますと、『塗装工事と雨漏り修理を一緒に行うこと』は絶対にやめた方がいいです!
何故かと言いますと、多くの塗装業者が『雨漏りの原因を見つける事が出来ないからです』文章に少しトゲがあるかも知れませんが少しその手の業者に少し腹を立てているのでご容赦ください。
雨漏り修理も出来ます!!とホームページやチラシなんかに書いてあるのは、雨漏り修理を呼び水にして塗装工事を受注販売したいという業者の目的に他なりません。

なかには、雨漏り診断士の資格を持っているから大丈夫だとか公言している業者もいますが、結局、資格なんて、たいした意味を持たないのでご注意ください。
では、なぜ『塗装工事と雨漏り修理を一緒に行うこと』は絶対にやめた方がいいのかその訳をお伝えします。
理由はいくつもありますが、その中でも5つの代表的な理由をお伝えします。

  1. 1 塗料(ペンキ)を塗っても雨漏りは防げないから
    弊社にご相談いただく多くのお客様が「屋根や外壁を塗装することで防水性能が上がるので、雨漏りを防げる・・・」と、塗装業者のセールストークを信じて工事を頼まれているようです。
    この件に関して、屋根外壁それぞれ治らない理由があるのでご説明します。

 

  1. 1-2  屋根の塗装工事について
     塗装が必要になる屋根材、塗装工事を行う事ができる屋根材は代表的なもので①板金屋根 ②セメント瓦 ③コロニアル(スレート)の3つです。


① 近年の板金屋根は、ガルバリウム鋼板が用いられていますので、基本的に塗装工事は必要ありません。
古くなって錆びてしまった瓦棒屋根などが塗装工事の対象になります。
古くなって、錆が目立つような屋根で雨漏りが発生している場合、屋根自体に穴あきや腐食などの症状が必ず見られます。
悪いところを補修して塗装すれば大丈夫かというとそうではなく、穴あきなどの腐食が目立つような屋根はそもそも、耐用年数を超えてもう寿命がきているので塗装工事を行っても手遅れという事です。
また、板金屋根特有の軒先側から雨水を引き込む形で、雨漏りが発生する事も多いです。
もちろんこの場合にも、塗装工事を行なっても雨漏りは解決されません。

②セメント瓦 ③コロニアルを塗装しても雨漏りを防げない理由は例えば、大雨や台風の日には、どんなに綺麗な屋根でも、仮にそれが新築の屋根であったとしても必ず瓦の下には雨水が侵入します。雨漏りを防ぐために更に瓦の下にはルーフィング(防水紙)が必ず張ってあります。瓦が(一次防水)ルーフィングが(二次防水)という考え方です。
日本の屋根は、災害時に雨が侵入してくる事を前提に踏まえて、二重の防水措置が取られているのです。
ですので、雨漏りしてしまったら、ルーフィングや下地材の寿命である事が考えられるため、瓦にペンキを塗っても、瓦の表面が綺麗になるだけで、侵入してくる雨水は絶対に防げません。
(※下の図、写真参照下さい)


また、瓦が割れていることが原因で雨漏りしている場合は差し替えたり、補修をすれば雨漏りが改善する事も考えられます。痛みが部分的ではなく全体的にある場合は、屋根材自体の寿命であると判断して、屋根本体の工事を検討すべきです。
そもそも、これらの屋根材に防水効果をもたらせ雨漏りを治す塗料などこの世に存在してません。
本当に定期的5〜6年で屋根塗装を行うのであれば屋根材の劣化防止、防水性能も期待できるかも知れませんが、あくまでも塗装工事は建物の美観を保つためのものです。特に屋根は太陽光の熱や紫外線を直で浴びるため塗料の劣化は早くなります。

1-3  外壁の塗装工事について
外壁の劣化が原因で雨漏りしている場合は、基本的にモルタル壁やALC壁であることが多いです。
塗装が古くなったのが原因ではなく、壁本体に亀裂などが生じている可能性が高いです。
その場合は、亀裂を補修した後に、塗装工事を行うことで解決する可能性もございます。
ですが、壁本体の老朽化により、塗った翌年にはまた新たな亀裂が生じて雨漏りを繰り返す可能性も多いにあるため、単に塗装工事で防げるのかというと難しいです。
塗装業者は、その辺りも含めて見れる雨漏りの専門家ではないので、やはりお勧めできません。
また、塗料の厚みは※0.02ミリ程度のものなので建物の動きに追従できずにまた新たな割れが出現します。
(※下の図参照下さい)

また、サイディング材の板間目地のコーキングが劣化したことで雨漏りが発生している場合はコーキングを打ち替えて塗装工事をすれば雨漏りは改善される事が多いです。
しかし、屋根同様に、目には見えない壁の中の二次防水の仕様が悪いことが原因で、雨漏りしているケースも多く、その場合、塗装工事をしたのにも関わらず、また雨漏りしてしまう可能性が非常に高いのでやはり専門家に見てもらうことをお勧めします。
二次防水の施工不良が原因の雨漏りの場合、雨漏りが発生している外壁を取り外して内部の防水工事をやり直す必要があります。もちろんその場合、外壁塗装工事ではなくサイディングの張替え工事(二次防水のやりかえ)となります。

また他に、水切り板金部材の施工不良が原因、取り付けサッシが原因で雨漏りしているケースも多く、必ずしも、壁が原因で漏れているとは限らないため、建物調査(雨漏り調査)に精通している人間に最初に見てもらう事が重要です。

2. 逆に雨漏りを悪化させる原因になるかも知れないから
これは、特に屋根塗装が原因で起こる場合が多く、塗装後の縁切りが行われていないや、タスペーサーを設置しない事が原因で雨漏りを引き起こします。
理由は単純で、塗料を厚く塗りすぎた事で、縁が潰れてしまって、瓦の下に潜り込んだ雨水がうまく排水されない事が原因で雨漏りを引き起こします(※下の図参照ください)


特に、コロニアル屋根(スレート)セメント瓦で見られる症状です。
屋根を綺麗に塗ることは良いことなのですが、塗装職人が屋根材の防水に対する知識がないために、縁切りが行われていない、またそれを管理する人間にもその考えがないために起こってしまう事故です。
その他に、外壁や屋根なので雨漏りしているからと、隙間という隙間を全部塗装業者が埋めているのも良く目にします。
屋根の縁切り同様に、排水不良が原因で逆に雨漏りの症状が酷く悪化してしまいます。
家には、あえて隙間を空けてあるという箇所も多いです。
ですが、それを知らない人があまりにも多いので、やはり、塗装業者に雨漏り修理を任せるべきではないと言わざるをえません。

3. 塗装工事をして治らなかった場合にまた足場をかける必要があるから

 4. 雨漏り修理に対して予算組みが組めなくなる恐れがあるから
これまでお伝えしてきたことは、すべて前提に塗装工事をしたけど雨漏りが治らない
ということがあります。塗装工事を屋根壁で行なった場合、平均で120万〜140万ぐらいはかかってくるかと思います。足場代は一般戸建ての場合 、約20万ほどが平均でかかります。
塗装工事を行ったが雨漏りが治らないということは、さらに屋根の葺き替え工事や外壁の張替え工事など別でかかってしまうという事です。本来、雨漏りを止めるために修理を依頼してるのにも関わらずまた一から、雨漏り修理費用を捻出する必要があるのです。
お客様にとってこれが1番堪えます。

お客様にとって本当に酷なことですので、私も非常に心苦しいのですが、雨漏りの原因を調査すると、その結果、雨漏り修理に塗装工事は必要なかった事が証明されてしまいます。でもそれをお伝えするしかありません。
そして、予算組みが難しいため、雨漏り修理を諦めるしかなかったお客様もこれ迄にたくさん見えます。
また、塗装工事後の雨漏り修理で、また足場を設置する必要がある場合もありますのでそれだけでも20万近く損してしまうことになります。
中には塗り終わった壁のほとんどを剥いでやりかえる必要があったお家もありました。
基本的に外壁サイディングは再利用が難しいので、また新たにサイディング材を張り替える事になります。こうなると塗装工事にかかった費用のほとんどが無駄になってしまいます。

5. 塗装の保証はついても、雨漏り修理に対する保証が付かないから
お客様から塗装工事をしたけど雨漏りが治らないとご相談いただく時には、その工事を行なった塗装業者の施工保証がどうなっているのかという事を必ずこちらから質問させて頂きます。
すると、『 雨漏りについての保証はない、塗装はあるけど・・・』と 必ず決まった返事が返ってきます。

正直、雨漏りの保証がない時点で塗装業者に雨漏り修理を依頼すべきではないと考えます。
雨漏り修理は難しく、一度の処置では治せないということもあります。その場合に、またお客様が費用を負担しないといけないのであれば、腕がない業者に当たったら永遠にお客様はお金を払い続けなくてはなりません。
当たり前のことですが、雨漏り修理を請け負う以上は、全ての責任を業者側が負うべきです。
そして、塗装工事については保証するけど、雨漏りについては保証しないという事自体が塗装業者の雨漏り修理に対する自信のなさを裏付けするような物ではないでしょうか

最後に

弊社でも塗装工事は行なっておりますので、なにも塗装工事自体が悪いということを言いたいのでは決してありません。
住宅のメンテナンスとして、塗装工事は必ず必要なものです。
ですがインターネットで検索してみても、チラシ、看板を見ても、塗装業者(実際は塗装工事販売だけを行う営業会社である事が多い)が雨漏り修理も行っていると謳っています。
全ての業者が雨漏り修理を利用して塗装工事を販売している訳ではないかも知れませんが、弊社に寄せられるご相談の中で塗装工事をしたけど雨漏りが治らないという相談が余りにも多く、現場でも『何故、塗装工事をしたけど雨漏りが治らないのか』という事についてお客様に説明をする機会も多かったですし、何より皆さま酷くガッカリされるので・・・どうにかならないかなという気持ちもあって今回記事にさせて頂きました。
家が雨漏りしている場合は、仮に外壁塗装をする時期が来ていたとしてもまずは、雨漏り修理を優先して考えて下さい。
先記述させてもらった様に、雨漏り修理を2度も行うことになりかねませんし何よりも、無駄な予算をかけなくてはならなくなります。
この記事が、『塗装工事と一緒に雨漏り修理をやろう』と検討中の方のお役に立てれば幸いです。

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