台風の日に室内で鳴り響く「タン タン タン ポタ…」という音。「この家大丈夫かな？」と心配になって、なかなか寝つけません。雨漏りの音が聞こえてくるだけで、あんなにも不安で嫌な気持ちになるなんて、経験してみないとわかりませんよね。

私の実家は古く、台風や大雨の日は必ずと言っていいほど雨漏りがして、ひどく湿気が多く、カビの臭いがする家でした。そのせいか、私は幼少期から 18 歳まで重いアレルギー性鼻炎に悩まされ、辛い思いをしました。

雨漏りは、精神的なストレスだけでなく身体までも悪くするということを、自分の身をもって知りました。ですから、お客様の家の雨漏りは、とうてい他人事とは思えません。

しかし、建築業界に入ってみてわかったのですが、雨漏りの修理というのは非常に難しいのです。実は私も、雨漏り診断士の資格をとってすぐに大きな失敗をしています。資格を取っただけではペーパードライバーと同じ状態なのです。

雨漏り診断士に合格してすぐにホームページを立ち上げ、某有名食品会社の工場から依頼を受けました。けれども、すぐに「経験がないと現場では全く通用しない」と思い知らされました。正直全く歯が立ちませんでした。それ以降も数件依頼を受けてやってみましたが、雨漏りの原因を見つけることはできず、ほどなくしてサイトは閉鎖しました。

では、なぜ今この仕事を続けられているのかというと、奈良県の森建築板金工業の森社長にご指導いただけたからです。森建築板金工業は大正15年創業で、現在も続く歴史ある会社です。私が教えを請うと快く引き受けてくださり、雨漏り調査のノウハウを惜しみなく、全て教えてくださいました。

始めは雨漏りの原因が見つけられず、しばらくは現場からリモートで森社長に繋いで、雨漏り原因を見つけてもらっていました。本物になればリモートで雨漏りの原因を見つけることができるのかと驚いたものです。こうして森社長のもとで経験を積み、今では「私が見て分からないのだったら誰が見ても分かりません」と言えるほどの自信が付きました。

弊社に相談されるお客様の多くが、雨漏り修理で失敗をされた経験がある方です。私たちを頼ってくださったからには、何があろうと必ず雨漏りの原因を見つけるのが私たちの使命です。どの物件でもそうですが、根気よく対処すれば、必ず原因究明はできます。しかし、どこの業者もそこまでの時間をかけて見られるのかというと、現実は厳しいと思います。

私たちは雨漏り修理専門店と看板を掲げていますので、絶対に逃げられませんし、絶対に逃げません。あきらめない覚悟があるからこそ、雨漏りを解決できるのだと信じています。

私は、この仕事に出会うまでは自分のためだけに働いていました。誰かに喜ばれたり、必要とされていると感じたりしたことありませんでした。しかし、今はありがたいことにたくさんの方からたくさんの「ありがとう」をもらえて、本当に嬉しく思っています。人から頼られることは何よりも嬉しいです。

近年は、地球温暖化の影響もあって、自然災害が日本各地で多発しています。ゲリラ豪雨も増えて、雨漏りのパターンも従来とは変わってきています。ですから、私たちも更に専門性を上げて、自然災害に立ち向かうぐらいの気持ちでやっていこう！と気を引き締めているところです。

雨漏り修理はもちろんのこと、屋根のことや災害対策は彩架建設と皆様に広く知っていただくためにも、社員一丸となって精進してまいります。また、これからご縁をいただくお客様にも「あなたたちに頼んで本当によかった。ありがとう」と言っていただけるように、これからも人間力を高め、さらに仕事の質を高めていく努力をしてまいります。

彩架建設株式会社
代表取締役 中村哲也